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ドクターXは実在するのか~現役Drが考察~

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<私失敗しないので>でお馴染みのドクターXですが大変面白いドラマで

毎週楽しみに見ています。いつも妻(非医療従事者)と観ていますがこれは

ドラマのだけの話なのかとかこれは実際どうなのかと質問されます。

ドラマなのでフィクションの部分があるのは充分承知のうえで考察します。

 

 

 フリーランスの医師はいるのか?

これは明確に存在するといえます。

ドラマでは医局に属さない未知子をフリーと称しています。以前はほとんどの医師が医局に属していた時代がありましたが、2004年に開始した臨床研修医制度により医局の力が弱まり医局に属さない医師が増えてきました。他の業界と同じで医師も医局へ生涯雇用してもらう医師は以前より少なくなり、医師専門の転職業者もありフリーでも困らなくなったのです。つまり医局に属さないフリーの医師はたくさんいて珍しい事ではないのです。ただ単に契約の問題なので医局を介して病院と契約しているか自分で直接病院と契約しているかの違いだけです。

大門未知子の腕をもつドクターはいるか?

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絶対いないかといえばわかりませんがかなり難しいでしょう。現在医学はかなり細分化されており基本的に専門科の手術しかしません。例えば脳神経外科の先生は脳の手術しかやりませんし、お腹の手術しません。逆に消化器外科の先生はお腹の手術しかしませんし脳の手術はしません。

これはコックで考えればあたりまえですが一流の寿司職人は基本的に寿司しか作らず、フレンチを作りませんよね。恐らくどこの業界でも同じだと思います。大門未知子が凄いのは幅広い領域で超一流であることですね。これはなかなか現実では難しいことです。

AI診療は実際あるか?

今回のシリーズでは時代の流れを考慮してかAI診断ロボットが登場しています。私の知る範囲ではこれは現場の臨床では無いと思います。しかし画像診断(つまりレントゲン検査やCT検査、MRI検査)で1次レポート作成をAIが行う研究はされているようです(もちろん最終判定は人間のDrが行います)。

前回シリーズで登場したロボット手術はこれは現実に実際にあります。

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ロボットといってもロボットが全自動で行うのではなく、左側の医師が遠隔操作で右側のロボットを操作して手術します(写真上患者さんはいませんが)。

これにより出血量が少なくなったり、機能温存ができるなどのメリットがあります。

保険適応の疾患は前立腺がんと腎臓がん、胃がん、食道がん、直腸がん、膀胱がん、肺がん、子宮体がん、縦隔悪性腫瘍などです。今後も適応疾患が拡大される可能性があり注目されます。

教授回診はあるか? 

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これは今でもあります。白い巨塔をはじめ医療ドラマでは権威の象徴やパフォーマンスとして描写されます。大学病院ではたくさんの患者さんをたくさんの医師がみるので全員で医療方針を統一させなくてはいけません。医師毎で方針が異なったら患者さん困りますよね。なので教授を中心にカンファレンス(要するに治療方針を皆で考える場)ので全員の意思統一を図ってから患者さんの元に行きます。つまり皆で治療方針を考えて回診しているということを保証しているともいえます。

さて大学病院は診療の場でもあると同時に医学生や研修医の教育の場でもあります。教授回診が大名行列の如く大人数になってしまうのは、もともと医師が多い+研修医+医学生がいるためです。

私も教授回診は好きではないですが、色んな意味で必要なんです。

医師と金について

ドラマでは定番の札束を忍ばせるシーンですが以前は薬剤メーカーと教授や医局との癒着などがあり大いに問題になりました。今は表面上は無いのではないでしょうか。

患者さんから診療のお礼としてお金を渡されることはあります。基本的には受け取れないことになっていますが実際受け取るかは各医師の判断ですね。

あとがき

ドクターXは結局何が面白いって最後は必ず正義が勝つ安心感と悪をやっつける爽快感でしょうか。ウルトラマンや仮面ライダーが面白かったのと似ているのでしょう。

大門未知子という正義が病気という悪を華麗にやっつける、お決まりの展開なんですけどとても面白いから見てしまいます。

ドラマで使われている薬や病名も実際の医療と整合性が取れていることが多く、医学的な監修もしっかりされているなぁと感じます。

今回はドクターXについて書きました。1話完結型なので今まで見たことない方も楽しめますので是非見てみて下さい。今までの放送はU-NEXTで見れるようです。

閲覧ありがとうございました。

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